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Tsudayama

津田山プロジェクト・・分岐する路地空間    提案日:2013.03

Concept 

谷筋に走る南武線をはさんで、南北に丘陵が続いている津田山駅前北側の敷地に、1階が店舗、2〜4階に住戸9戸を計画するプロジェクト。
敷地西側には、北側の丘に登る細い路地が残されており、避難上にも有効なこの日常の動線を共用通路・階段で建物内部にも連続させることを基軸に計画した。 駅前前面道路の横断歩道を渡ると、それに連続するように路地が続いていくため、その動線を外部階段で分岐させて2階以上の住戸へのアプローチとし、さらに建物中央に設けた直通階段と通路を路地的に展開させている。
建物全体は、半外部空間となる階段室を挟んで大きく南側と北側のブロックに分ける構成とし、広い前面道路に面し奥行きの深い敷地の特性を、南と北のブロックそれぞれの住戸に反映していくことを目指すものとした。
2階は、南ブロックに貸室1、北ブロックに貸室2と3を配置する。南の貸室1は広い前面道路に面するメリットとデメリットを解決してアクティブな人向きの住戸と設定し、2と3は逆に前面道路の喧噪から遠ざかった「奥まった感」を意識させる。 南ブロックの住戸は、3階があえて前面道路に開かないプラン(水廻りのみを配置)とし、採光と眺望などこの敷地のメリットを生かすため4階は3階の向きと直交方向となる交差メゾネット形式を用いた。 北ブロック住戸は、斜めの界壁を設定しその表裏でそれぞれの居室が全く違う個性的な空間となるよう試みている。
4階の南ブロックは、この敷地の最大の魅力である南側の広大な眺望を享受できる場所となるような天井の勾配も加えた空間構成とし、ここでも斜めの界壁を用いて両方の住戸に違った個性を与えた。対して北ブロックは、東側の隣地建物上部に視界が開けることから、「奥まった感」と同時に外部へと広がる開放的な空間とした。

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