<施設の提案概要>
ひとつの建物の中に様々な用途のゾーンが分散しつつ有機的な繋がりをもたせるためのプランとして、ここでは、各種用途に対応する人々の行為や場面を単位としたシリンダー状の最小スペースを設定し、それらの多種多様な組み合わせを可能とする新たな空間システムを提案する。それは、この施設の運営者および利用者にとっての無限の想像性を生み出すための「知恵の輪」として機能する。
<建物の構造システム>
建物全体は大小2種類のリングの積層を単位として構成されている。各リングは幅600ミリの鋼板で、小リング(直径7m)は間仕切り壁や収納家具、大リング(直径10m)は床梁や設備収納として機能する。さらに双方のリングが平面的に重なる位置に、鉛直荷重のみを支持する直径約100ミリ以下の円柱が散在している。基礎は厚さ1.5m程度のベタ基礎とし、その上を免震構造とする。