全体構成:当敷地は、東側の擁壁部が斜めに切られた形状(南側の奥行きが長く北側が短い)となっていることから、建物を南側と北側の二つのブロックに分け、敷地形状に合わせてそれぞれをずらした構成にすることとした。また、建物を敷地中央にコンパクトにまとめ、隣地に対して距離を設けて、建物外周はできるだけ広い緑地となるような配置計画としている。特に音楽室は隣地からの距離を設けるよう考慮した。 ブロック構成:南側ブロックには、個室3室と和室を設けることとし、それらに近い位置に、浴室・洗面脱衣室・トイレ・ウォークインクローゼットを並列して設けた。また、2階の端部(東側と西側)に個室を、中央部に浴室などの水廻りを配置したが、それぞれの天井の高さに応じるように(個室の天井は高く水廻りは低く)、屋根を緩いV字型の形状とした。北側ブロックは、1階にLDKと音楽室を設け2階に個室1室を設けた。こちらは1階のLDKから2階個室に向けて緩やかに上がっていく屋根形状としている。 階段室・廊下(間室):全ての室が面する1・2階の廊下部分は、できるだけ明るく開放的な空間となるよう、東西面をガラス張りとして視線が通り抜けるようにしている。また、1階廊下の東側端部には外部への出入口を、2階にはバルコニーを設けた。