<とみひろの庭>
美術館の中央に、南北方向を軸とする16mX40m(640m2)の矩形の中庭を設けた。周囲の騒音や地形の形状から隔離されたこの庭には、富弘が愛した数十種類の草花や樹木が植えられている。四季を通じて庭の風景の変化を楽しめるように、それぞれの植物の花や実のなる季節を考慮して配置した。この庭には、展示空間に設けた3つの休憩コーナーからアクセスすることができ、御影石の貼られた歩道を自由に散策することができる。また、高さ4mの周囲の外壁には、富弘の詩が写し込まれている。
<平面計画>
3つの常設展示室をロの字型に巡回させて配置することで、作品鑑賞のための順路をスムーズにした。展示室内の作品相互の間隔は2mを確保している。展示室をさらに取りまく建物全体の4隅には、エントランスホール、喫茶コーナー、管理部門、収蔵搬入関係をそれぞれ配することで、ゾーニングを明確にした。